……………………………………………………………………………………………………………………………………
美術折々_246
追われても忘ることなかれ
この錆び付いた階段を上りつめれば展望台。
でもいったい何が見渡せるというのか。
たしかに夜は近いけれど。
黒い服の、なにがボタ山だ。
かつて追われて逝った坑夫たちが見たら、どんな顔をしただろう。
「人間が地獄で、地獄は人間だ」といったのは、だれだったでしょうか、エイシンさん。
来世なんて、これっぽっちもありはしない。
ただただ「この世〈が〉地獄」だといったのは老婆だったかしら。
すっかり生も死も、浮き石のようですね。