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美術折々_195
伐採地から
この裸の土地の中で唯一の。
渇き切った双子の樹木だけがずっと夜のともだちだった。
彼らが刻む影は、僕にそっくりだった。
いや僕じしんの影が、彼らだったのかも知れない。
なぜ、日々というものは。
これでもかこれでもか、というほどリアルな虚偽と欺瞞が。
おおくの罪のない影までをも踏みにじるのか。
きょうはその証拠のひとつとして、この写真を。
高貴な方々に差し上げようと思う。