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美術折々_174
貘のまえに、変な出合い
きょうは昼前に自宅を出て駅まで歩いているうちに秋の晴れ間に誘われ
そうだ「貘」まで歩こうと思い直し、お堀端の道を東に向かった。
その堀の小さな土手にある木製のベンチに少し腰掛け、途中で買っておいた
ワンスピリッツと持ってきた本を開いていると土手の上の色づいた桜の葉がひとつ
飲みかけのスピリッツの中にヒラリと舞い降りてきたのだ。
うれしいような、かなしいような気持ちになる。
すぐ真上を見上げると桜の樹はもっと横にあった。
よくこの小さな窪みに落ちてきたなあと、変な出合いを
ひとり静かに呑みほしたのだった。さあ歩こうか。