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…………………………………………………………………………………………………………………………………… 美術折々_217 快適な日々の恐れ 九州南方に梅雨前線はいまだ北上せずに停滞しているという。 でもきのう、いちど蝉が鳴いた。いっしゅん梅雨明けのようなつよい陽射しを錯覚したのだろうか。 梅雨入りも梅雨明けも旧い慣性のままに季語のように、いまの私たちがそれに囚われているだけのことだ。 だが、自然は自然みずからがつくりだしたものではない。この人間がつくり変えてきたものだ。 だとすれば、自然の恩恵も猛威も、人間どうしの問題がほどけたりこじれているだけなのだろうか。 では蝉の、自然の、人間の祖先とは何か。ニーチェはいう「祖先は必然的に一つの神に変形される。 さらにこうも言う「われわれは今やわれわれ自身に暴虐を加えている」と。 いまも私たちは、このじぶん自身の〈恐怖〉におびえている。 [この日記を編集] |