元村正信の美術折々/2019-02-07 のバックアップ(No.1)


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美術折々_191


しかしどこへ


どこからか、だれかが、何かを叫んでいる。それが母語なのか、もしくは人間のこえなのか。

でもこの耳には、たしかに届いているのに。わからない。わからないままに。

そうやって、おそれわからないまま朝を迎えた。それでもまだ何かを叫ぶものがいる。

それは訴えなのか、何かの知らせなのか、予兆なのか予告なのか、通告なのか、わからない。

わからないままに、こんどは夜さえもやって来た。まだ朝だと言うのに。

まさか、これが最後の叫びかな。夜と朝が重なり合って狂おしく叫びやまない。

「逃げろ」という。しかしどこへ。どこへ逃げればいいと言うのか。

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