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美術折々_48
氷山 もしくは 絵画
絵画について考えるとき、僕はときおり巨大な氷山というものをおもい浮かべる。さらにそこに絵画そのものを限りなく頭の中で巨大化し、この二つを重ね合わせ融合させるように描いてみる。
するとそこには、小ささと大きさといったスケール、イメージと物質、可視と不可視、絵画と空間、あるいは
絵画にとって外部とは何か、ひいては絵画とは何かといった様々な問題が、つぎつぎに浮かぶ。
氷山の一角としての絵画、あるいは 絵画の一角としての氷山。
もしくは描かれない絵画、あるいは描かれた氷山。
いまだ経験されていないものとしての、想像の産物。
この関係は異質すぎて唐突に見えるかもしれないが、氷山に絵画を埋め込む試みは、僕にとってはひとつの
プランもしくは“アンプロジェクト”とでも呼ぶべき、「実現されないプロジェクト」のひとつでもある。
もうひとつ僕には、“ノンアート” 構想(アートではないものの光景群)というものがあるのだが、これはまた
別の機会にでも。