元村正信の美術折々/2017-11-15
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開始行:
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美術折々_118
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少女そして少年の歌
~
ことしの、第6回〜家族を歌う〜河野裕子短歌賞(「青春の歌」...
「 読みかけの文庫のように連れてって 休日の君もっと知...
誰しもあったかも知れない。たった一日だけなのに会えない君...
ハラハラ。「読みかけの文庫のように」という喩えに、恵まれ...
高鳴りが感じられる。この女子高生は、小6の時に寺山修司の青...
きっかけとなったらしい。
同賞は2010年に亡くなった歌人・河野裕子の業績を顕彰すると...
愛の歌』と『青春の歌』の2部門からなる短歌公募。
僕にはちょっと気恥ずかしいくらい真面目な「お題」だ。まあ...
その河野裕子の第一歌集『森のやうに 獣のやうに』(1972年...
引いてみよう。
「 たとえば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらって行...
この一首が、受賞した女子高生の歌と共通するのは、「君」が...
願いである。だが、当時の河野のこの歌はもっと直截的で荒々...
少女はいない。
では少年はどうか。中学時代から俳句や詩作を始めた、10代の...
だったのか。それは亡き父への思慕であり、恋し母であり、望...
なかったろうか。
「とびやすき葡萄の汁で汚すなかれ虐げられし少年の詩を」
『森番』の一連より :寺山修...
僕がおもうにここで「少年の詩」とは、寺山という少年の死の...
寺山修司は『僕のノート』の中で、こう自らの〈少年〉に別れ...
「美しかった日日にこれからの僕の日日を復讐されるよう...
さらに「僕は書を捨てて町に出るだろう」と。
だから「われに五月を」というのは、きらめくような陽のひか...
そしてのその願望どおり、早すぎる五月に逝ってしまった。
少女といい少年といい、詩や歌はおおくの若い感受性をすくっ...
からだに過酷な火を放つ。それでもそれを、ことばをまたいで...
急ぐことはない。〈言葉〉はいつも君を待っているのだから。
終了行:
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美術折々_118
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少女そして少年の歌
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ことしの、第6回〜家族を歌う〜河野裕子短歌賞(「青春の歌」...
「 読みかけの文庫のように連れてって 休日の君もっと知...
誰しもあったかも知れない。たった一日だけなのに会えない君...
ハラハラ。「読みかけの文庫のように」という喩えに、恵まれ...
高鳴りが感じられる。この女子高生は、小6の時に寺山修司の青...
きっかけとなったらしい。
同賞は2010年に亡くなった歌人・河野裕子の業績を顕彰すると...
愛の歌』と『青春の歌』の2部門からなる短歌公募。
僕にはちょっと気恥ずかしいくらい真面目な「お題」だ。まあ...
その河野裕子の第一歌集『森のやうに 獣のやうに』(1972年...
引いてみよう。
「 たとえば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらって行...
この一首が、受賞した女子高生の歌と共通するのは、「君」が...
願いである。だが、当時の河野のこの歌はもっと直截的で荒々...
少女はいない。
では少年はどうか。中学時代から俳句や詩作を始めた、10代の...
だったのか。それは亡き父への思慕であり、恋し母であり、望...
なかったろうか。
「とびやすき葡萄の汁で汚すなかれ虐げられし少年の詩を」
『森番』の一連より :寺山修...
僕がおもうにここで「少年の詩」とは、寺山という少年の死の...
寺山修司は『僕のノート』の中で、こう自らの〈少年〉に別れ...
「美しかった日日にこれからの僕の日日を復讐されるよう...
さらに「僕は書を捨てて町に出るだろう」と。
だから「われに五月を」というのは、きらめくような陽のひか...
そしてのその願望どおり、早すぎる五月に逝ってしまった。
少女といい少年といい、詩や歌はおおくの若い感受性をすくっ...
からだに過酷な火を放つ。それでもそれを、ことばをまたいで...
急ぐことはない。〈言葉〉はいつも君を待っているのだから。
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