元村正信の美術折々/2016-12-14
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美術折々_78
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越えねば、ならなかったもの
~
10月に出版された、画家の野見山暁治と福岡市の画材店・山本...
交友を軸にした対談本『絵描きと画材屋』(忘羊社、2016年)。
その中で、野見山は戦前の1933年(昭和8年)頃当時「炭坑町に...
山坂を越えて福岡の街まで自転車を漕ぎつづけて、油絵具を買...
飯塚、田川方面と福岡を結ぶ道に、八木山峠を越えて行く旧篠...
「八里の山坂」とはこの八木山峠のことだ。
おなじ峠越えでも、かつて読んだ上野英信の『追われゆく坑夫...
坑夫たちは、餓死寸前の体力をそれでも絞り出すようにして、...
道のりを、みずからの「血」を売りに行ったという。金に換え...
先日、福岡からその八木山峠を車で越えた。田川市美術館での...
美術館に行く途中の国道322号沿いにある、1959年に建てられた...
(今年9月末に閉鎖)も、すでに人影はなくコンクリートの廃墟...
ここにも炭坑という〈近代〉が置き去りにしてしまった「炭都...
炭坑と「筑豊」という日本近代のエネルギーが生んだ、その栄...
どのように強靭であったにせよ、時に容易に押しつぶされ、踏...
容赦ない時代の奔流は、どんな大地をも非情に洗い流して見向...
だが、それで済ませられていい訳はないはずだ。
越えねばならないもののために。
古くより、どんな思いで理由で、人はいくつもの「峠」を越え...
「峠」そのものは、何も語ってはくれないが、それを知る「人...
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美術折々_78
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越えねば、ならなかったもの
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10月に出版された、画家の野見山暁治と福岡市の画材店・山本...
交友を軸にした対談本『絵描きと画材屋』(忘羊社、2016年)。
その中で、野見山は戦前の1933年(昭和8年)頃当時「炭坑町に...
山坂を越えて福岡の街まで自転車を漕ぎつづけて、油絵具を買...
飯塚、田川方面と福岡を結ぶ道に、八木山峠を越えて行く旧篠...
「八里の山坂」とはこの八木山峠のことだ。
おなじ峠越えでも、かつて読んだ上野英信の『追われゆく坑夫...
坑夫たちは、餓死寸前の体力をそれでも絞り出すようにして、...
道のりを、みずからの「血」を売りに行ったという。金に換え...
先日、福岡からその八木山峠を車で越えた。田川市美術館での...
美術館に行く途中の国道322号沿いにある、1959年に建てられた...
(今年9月末に閉鎖)も、すでに人影はなくコンクリートの廃墟...
ここにも炭坑という〈近代〉が置き去りにしてしまった「炭都...
炭坑と「筑豊」という日本近代のエネルギーが生んだ、その栄...
どのように強靭であったにせよ、時に容易に押しつぶされ、踏...
容赦ない時代の奔流は、どんな大地をも非情に洗い流して見向...
だが、それで済ませられていい訳はないはずだ。
越えねばならないもののために。
古くより、どんな思いで理由で、人はいくつもの「峠」を越え...
「峠」そのものは、何も語ってはくれないが、それを知る「人...
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