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美術折々_239
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元村正信「抗い結晶するわたしたちの」(3)
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前回、板壁にかけた今回の個展作品のひとつ(P3)を紹介したが、じつは昨日、貘のオーナーの小田律子さんが急にギャラリーのなかに展示したい、と言い出し写真のように白い壁に掛け直された。僕はその場にいて、
小田さんの有無を言わせぬ思いつきというか即断に圧倒されたまま、ご覧のような写真になったしだいである。
たしかにスポットもあたって作品も浮き立つ。ながくアートスペース貘で何度も発表をしてきたが、個展も終盤にしてこんな作品の移動は初めてである。でも小田さんは一体何を思ってそうしたのだろうか。
僕は一切何も聞かず彼女にまかせたのだった。画廊のオーナーというのは、作家以上に展示された作品を見つめる時間がある。一日中、そして毎日みている訳だから。板壁から白い壁へ、作品は動いた。作品そのものは何も変わらないのに。
もしこの作品を「二つ」見た方がいるなら、小田さんにその良し悪しをつたえてほしい。
彼女はきっとまず、いたずらっぽく笑うことだろう。
もう明日はエンディングだ。
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