…………………………………………………………………………………………………………………………………… アートスペース走り書き_08 ~ 末藤夕香展「レミニッサンス」 [〜6月7日迄] ~ いまアートスペース貘で開かれてる、末藤夕香展「レミニッサンス」。 この個展は感染症下の自粛影響で、貘の展覧会スケジュールも変更になり リリーフとして急きょ彼女の過去作(2011年)の登板となったしだいだ。 今回おもしろいのは、作品が売れた場合その代金は全額アートスペース貘に入るというもの。 通常「貘」では、作品の売却金額を作家:8 、画廊:2 で分配することになっている。 作家にとっては高配分で大変ありがたい。これはオーナーの小田律子のいまも変わらぬ意志である。 それでも末藤夕香は今回、売れたら自らは一切受け取らず、その代金をすべて画廊に寄付するというものだ。 作品ごとの価格も付けてはいないので、金額は購入希望者とギャラリーとの駆け引きで。 よい試みだと思う。もちろん末藤の勇断あってのことだが。1 円からあとは交渉しだい。 アートスペース貘をご存知の方ならすでに周知の通り、貘はコマーシャルギャラリーでも 貸画廊オンリーでもなく隣のカフェ「屋根裏 貘」の収入によって、そのほとんどが賄われている。 それは何より、作品を売るまえに作家の表現そのものを第一義に、といつも小田律子が思ってきたからだ。 それは何より、作品を売るまえに作家の表現そのものを第一義にと、いつも小田律子が思ってきたからだ。 ただ例外なく貘も当然コロナ禍による大幅な減収によって、店の経営だけでなくアートスペースの存続をも 脅かされているのである。44年目にして貘もまた危機に面している。 黙って見ているわけにはいかない。 (元村正信) ~ #lightbox(suefuji__0236.jpg,,45%)