元村正信の美術折々/2019-04-25 のバックアップ差分(No.1)


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美術折々_205
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人材不足と人材の余剰
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急速なIT関連市場の成長で2030年にはAIやIoTなどの先端的な情報技術を担う人材が、55万人不足する恐れがあるとの試算を経済産業省がまとめたと、24日付の日経新聞(朝刊)が報じていた。今後、IT関連の既存人材の再編を含め転職や新卒を先端型に順次転換、採用したとしてもその半数の約27万人が不足する見込みだという。
 
しかしこのことがもし充たされるとすれば一体どうなるのだろう。つまり逆に言えばこれは、IT関連に集中的に人材が投入・配置されることによってその反面それ「以外」の仕事が職業が人間が不必要となり、近い将来55万人から27万人位は余剰となり溢れ失業する可能性があるということだ。AIやIoTの進化、依存によって、一方で多くの既存の職業や仕事が不用とされ、生活がそして人間が、喪われることは間違いないだろう。いや、どこまでこの国の「人間」は必要とされているのか。
 
そこで生き残って行く《少数の人間》とは誰か。支配者か、「先端的」人間か、超エリートか、富裕な者か、もしくは逆説的にアジア諸国からの移民や外国人労働者なのか。もうそこに多くの「日本人」は必要とされないのかも知れない。亡国とはこのことだ。
 
当然ここでも〈芸術〉は、困難に晒されることになる。芸術から逸脱したアートは、ますますクリエイティブ化しメディア・アート化され、メディア・アートはさらにアートそのものをAI化し、IoT化するだろう。そういったビジネスアートやアートビジネスに若いIT系アーティストや人材が集中する一方で、旧来の日本画壇的業界や団体展、公募展作家もアートの余剰となりやがて衰退して行くことになるだろう。