- 追加された行はこの色です。
- 削除された行はこの色です。
……………………………………………………………………………………………………………………………………
美術折々_191
~
しかしどこへ
~
どこからか、だれかが、何かを叫んでいる。それが母語なのか、もしくは人間のこえなのか。
でもこの耳には、たしかに届いているのに。わからない。わからないままに。
でもこの耳には、たしかに届いているのに。見えない。わからない。わからないままに。
そうやって、おそれわからないまま朝を迎えた。それでもまだ何かを叫ぶものがいる。
それは訴えなのか、何かの知らせなのか、予兆なのか予告なのか、通告なのか、わからない。
それは訴えなのか、何かの知らせなのか、予告なのか、通告なのか、わからない。
わからないままに、こんどは夜さえもやって来た。まだ朝だと言うのに。
わからないままに、すぐさま夜さえ戻って来た。まだ朝だと言うのに。
まさか、これが最後の叫びかな。夜と朝が重なり合って狂おしく叫びやまない。
まさかこれが最後の伝達なのか。夜と朝が重なり合って狂おしく叫ぶ。
「逃げろ」という。しかしどこへ。どこへ逃げればいいと言うのか。
いまたしかに「ニゲロ!」と聞こえた。しかしどこへ。どこにその場所があるというのだろうか。
~
#lightbox(sunrise_0067.jpg,,70%)
#lightbox(sunrise_0067.jpg,,50%)