元村正信の美術折々/2018-11-05 のバックアップ(No.1)


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美術折々_175


左と右の、ふたつの「貘」のこと


個展ものこり半分。いつも以上に貘に通っている。

ギャラリーの右隣にある、カフェの「屋根裏貘」も来月の暮れには42周年を迎える。
客がいても居なくてもただジャズだけはいつも流れ、静かに長く時をみつめてきた。

昼夜どんな時間に訪れても、ここだけは猥雑な外界とは無縁でいられるそんな場所なのである。
僕がとくに好きなのは、午後5時近くから6時過ぎの夕暮れどきだ。まだまだ忙しく仕事中の方には申し訳ないが、その頃にここを利用する客たちの思いおもいの語りから醸し出される、ゆったりとしたこの屋根裏の雰囲気はどこからも憎めない、まことに贅沢なひと時に思えてくる。僕なんかにすると少しのジンかスコッチから始めれば、あとはもう夜の訪れを待つだけだ。

さて、そんなふたつの「貘」の関係や裏話を含めたこれまでの歴史そして現在については、今週末10日(土)14:00〜16:00に予定の佐賀大学地域デザイン学部の花田さんらによる「第5回アートスペース見学会」の中で、オーナーの小田律子さんと僕・元村でお話しすることになっているので、もし興味のある方はぜひのぞいて見てください。