元村正信の美術折々/2018-11-01 のバックアップソース(No.1)

美術折々_174

~

変な出合い

~

きょうは昼前に自宅を出て駅まで歩いているうちに秋の晴れ間に誘われ、そうだ「貘」まで歩こうと思い直しお堀沿いの道を東に向かった。その堀の小さな土手にある木製のベンチに少し腰掛け、途中で買っておいたワンスピリッツと持ってきた本を開いていると、土手の上の色づいた桜の葉がひとつ、飲みかけのスピリッツの中にヒラリと舞い降りてきたのだ。うれしいような、かなしいような気持ちになる。真上を見上げると桜の樹はずっと横にあった。よくこの窪みに落ちてきたなあと、変な出合いを静かに呑みほしたのだった。