元村正信の美術折々/2015-10-21 のバックアップ(No.1)


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美術折々_23
 

扉の向こう

元村正信展[その逆説的盲目]2015 も10月18日で、3週間の会期を無事に終えた。
お忙しい中、わざわざ足を運んで頂いた多くのみなさま、そしていつも僕の個展を見ていただきながら、
お会いできないでいる方々にも、重ねてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

毎回、個展がどう評価されているか、どう見られているか、ということを制作者自身は疎かにはできない。
ただ、当然見る方には様々な反応があり、それに喜んだり憤慨したりと、作者は一喜一憂し、勝手なものでも
ある。特に若い作家であれば、いろんなメディアに好意的に取り上げられたりすれば、嬉しくないはずはない。

ただ僕のように、極東のちいさな島国日本の、そのまた遥か隅っこで個展を重ねている人間にとっては、
「評価」そのものよりも、じぶんが考えていることと「作品」というものとの、ある種の距離というか、ずれ、
あるいは落差やそれへの苛立ちのようなものに、毎回悩まされ続けている。

言ってみば自業自得というものなのだが。このことは、考えればかんがえる程、深みにはまっていくもののようだ。なぜそのように、深まりゆく盲目の内に、眼は見開かれねばならないのか。

この扉の向こうに開けているであろう未踏の世界を、踏みしめられればと、いつも思っている。

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