Blog/2017-05-05 のバックアップ(No.1)


本木ひかり×牧弘子展 「Tumor」

おふたりとも福岡県生まれ、佐賀大学文化教育学部出身で
現在は東京で活躍されている、期待の若い画家です。

貘では初めて紹介する作家の、油彩画による二人展です。

本木ひかりさんは、自分の妹をモチーフにした、いわゆる写実画といってもいいのですが、
でもそれが単なる写実と違うのは、若い女性の湿った体温というか、過剰な微熱といったものが
その肢体から怪しく放たれていることです。隠された怖さとでもいうものさえ感じます。

牧弘子さんは、若い女の裸体が植物や様々な生物、さらに人形までが、まるで熱帯林の中で
絡み合うようにして、ある種の神話を連想させながら、かつ装飾的に描かれています。
こちらも若い女のエロスが、得体の知れないものに引き込まれていくような、幻想世界です。

五月の若葉のまぶしさとは少しちがいますが、若さが匂いたつような熱気が溢れていますよ。

                              (同展は5月14日まで)