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美術折々_172
抗う前夜
ずっと溜め込んでいた息を吐き出すように、久しぶりに夕暮れの町に出てみた。すれ違う見知らぬだれもが、ひとり一人鮮やかなほど違って見えた。なぜだろう。僕が思う以上に、ひとは違っているにしても。それでも僕は同時に、その場所のすべての人を圧倒的に同一化しようとするちからへの反感を抱いた。どうしてなのだろうか。